2020年の国勢調査によると、男女の生涯未婚率は男性28.3%、女性17.8%と増加傾向です。
仕事や生活スタイル、趣味などで多様化が進む現代では「結婚にメリットはあるの?」「独身のほうが自由で楽しい」と思うこともあるかもしれません。
しかし、結婚には多くのメリットがあるのも事実です。
このコラムでは、結婚のメリットを男女共通・男女別にわけて紹介していきます。
男女共通の結婚するメリット
結婚にはさまざまなメリットがあります。
まずは男女共通のメリットから見ていきましょう。
大切な人と一緒にいられる
結婚によって得られるメリットとして挙げられるのは「大切な人と一緒に暮らせる」ということです。
楽しいことも悲しいこともシェアし、ともに長い人生を歩むことで、深い絆を育むことができます。
また、家族になることで、喜びや悩みを共有できる一生のパートナーがいる安心感が生まれることも結婚のメリットです。
人生の様々な瞬間を共有できる相手がいることは、心の充足感を高めてくれるはずです。
精神的な支えができる
結婚では、精神的な支えが得られることも大きなメリットです。
いつでも自分の味方になってくれる存在は心強く、精神的に安定を得られます。
また、ずっと一緒にいられることは、老後の不安をなくすことにもつながります。
ひとりでいることが苦手であれば、結婚により孤独感が軽減するでしょう。
日常生活におけるコミュニケーションや支え合いが、寂しさを感じにくくし、心の豊かさをもたらします。
結婚のプレッシャーから解放される
親や既婚者の友人などから、結婚を急かされた経験はないでしょうか。
「結婚はいつするの?」「結婚は早くしたほうがいいよ」など、善意からの言葉でも何度も言われるとストレスになるものです。
男女で共通するメリットとして、親や周囲からの結婚のプレッシャーから解放されることが挙げられます。
結婚して親を安心させられることは、親孝行にもつながります。
病気になった時に看病し合える
病気やケガをしたときに看病し合えることは、結婚しているからこそのメリットです。
ひとりだと病気になっても、自分で身の回りのことをしなければいけません。
信頼しているパートナーが傍にいると、身体だけでなく精神的な支えにもなります。
また、ひとりでは健康管理を怠ってしまいがちですが、家族がいると気にしてもらえることも利点です。
共働きの場合は世帯年収が増える
共働きの場合、世帯収入が増えることで経済的に安定することも結婚のメリットです。
結婚すると家賃や生活費を2人で支払えることで、経済的に安定しやすくなります。
趣味やレジャーに使えるお金が増えると、より充実感のある日々を過ごすことができます。
また、どちらかの収入がなくなったとしても、パートナーが働いていると一方の収入で生活できることもあります。
パートナーの収入で生活ができるなら、転職のために勉強する時間を確保することも可能です。
男性の結婚するメリット
続いては、結婚における男性ならではのメリットを紹介します。
結婚することで男性が得られるメリットにはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
仕事へのモチベーションが高まる
男性は結婚することで、仕事へのモチベーションが高まる傾向にあります。
自分のためだけではなく、家族のためと考えれば、仕事への意欲が高まるものです。
結婚後は生活の基盤が整いやすいこともあり、仕事に対する姿勢を改める方が少なくありません。
キャリアプランを見直すことで今後取り組むべきことが明確になり、今やるべきことに集中できるようになります。
税制が優遇される場合がある
配偶者がいると、条件によっては配偶者控除または配偶者特別控除を受けられるようになり、税制が優遇される場合があります。
おもに夫側が働きに出ていて、妻はパートや専業主婦などで収入が少ない場合に受けられる制度です。
配偶者控除は配偶者の合計所得が48万円以下の場合に受けられます。48万円を超え、133万円以下であれば配偶者特別控除の対象です。
該当する場合は、年末調整や確定申告によって課税標準額からの控除ができるようになり、所得税の節税ができます。
節税ができると手取り額が増え、世帯年収の増加にもつながります。
家事の負担が減る
結婚すると家事を分担できるため、ひとり暮らしよりも家事の負担を減らすことができます。
家事が好きなら別ですが、家事の負担が減ることを結婚のメリットだと感じる男性は少なくありません。
家に帰宅したときにご飯やお風呂の用意をしてくれていると、ますます家族のために仕事を頑張ろうと思えるはずです。
家事を分担するときは、得意なものをお互いが担当すると効率よく生活できます。
近年では共働きが主流のため、結婚前に家事分担のルールを決めておくと良いです。
女性の結婚するメリット
結婚によって女性が得られるメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
女性視点でのメリットを紹介します。
妊娠・出産をする環境が整う
子どもを欲しい女性にとって、結婚することで妊娠・出産をする環境が整うことは大きなメリットになります。
人生において、出産や子育ては貴重なイベントのひとつです。
子育ては簡単なことではありませんが、夫婦で支えあい協力することで、自分たちの成長にもつながります。
何よりも自分の子どものかわいさを実感できるため、新しい家族が増えることで「結婚してよかった」と感じる方はたくさんいます。
結婚しなくても妊娠・出産はできますが、籍を入れない事実婚の状況では共同親権が持てません。
ひとりで育てる覚悟を持っていても、実際ひとりでする子育てと夫婦で協力し合うのでは、負担が大きく異なります。
結婚していれば家事や育児は分担でき、周囲からも祝福されるため精神的にも安定した状態を保てます。
扶養控除を受ける場合は税金負担を軽減できる
夫が会社員で健康保険や厚生年金に加入しており、妻の年収が130万円以下などの条件を満たしていると社会保険の被扶養者制度を受けることができます。
社会保険の扶養に入ると、保険料を負担することなく健康保険に加入できます。また、国民年金についても払う必要がありません。
前年度の収入によって異なりますが、社会保険と国民年金を合わせるとおよそ月3万円ほどの負担になります。
支払わなくても健康保険と厚生年金に加入できる扶養制度は、結婚しているからこそのメリットです。
しかし、自営業の場合など、一方が国民健康保険・国民年金に加入している場合は扶養制度を利用できないので注意しましょう。
経済面が安定する
結婚すると世帯年収が上がるため、女性は経済的に安定するといったメリットがあります。
女性の社会進出は増加していますが、まだまだ男性の収入が高いケースがほとんどです。
そのため、女性の場合、自分の収入だけでは生活が難しいと感じることがあります。
経済的に安定するとガツガツ働かなくても生活できるようになるので、精神的にもゆとりを感じるようになります。
男女共通の結婚するデメリット
結婚にはたくさんのメリットがあるものの、デメリットも少なからずあります。
結婚によって生じる可能性があるデメリットを見ていきましょう。
自由に使える時間やお金が減る
結婚では独身時代よりも制限があることは確かなので、自由にお金や時間を使うことが大事であればデメリットを感じる可能性があります。
おもに自分の収入で生活をする場合、家族の生活費も稼ぐ必要があり、趣味や遊びなどに使える自由なお金が減ります。
家族のためとはいっても、経済的な我慢を強いられることはストレスにつながるかもしれません。
また、休日は夫婦の時間や育児などがあり、自分ひとりで好きなことをして過ごせないときもあります。
自由にお金や時間を使えなくなることは、子どもができるとさらに増えていくことが予想されます。
責任が増える
結婚で「家族を養わなければいけない」と考えてしまう場合、責任が増えることにプレッシャーを感じることがあります。
家族がいるからこそ仕事に精をだせることもありますが、責任が重いとプレッシャーになってしまうのです。
仕事がつらくても「家族を養うために働かないといけない」と思っていると、解決方法を見つけられずに追い込まれてしまうかもしれません。
しかし、家族の責任はひとりではなく夫婦で考えていくものです。
つらいときはパートナーに相談して、責任は2人で背負っていくと解決方法が見つかるかもしれません。
家事・育児負担が増える
共働きであれば家事や育児の負担は同程度が理想ですが、現実ではどちらか一方に負担が偏っているケースが多くあります。
パートナーよりも自分の負担が大きいと感じるようになると、結婚をデメリットと捉えてしまうことがあります。
結婚して一緒に生活をしていれば、家事の負担は2倍になるため、時間や精神的に余裕がないとストレスになります。
ひとりであれば炊事や掃除を適当に済ますことができても、パートナーがいると「ちゃんとしないといけない」と感じることもあります。
また、子どもを育てることは尊いことですが、育児は決して簡単なことではありません。
子どもが小さいうちは自分の時間を取れないことがほとんどです。
結婚後に初めて育児をするのなら、わからないことだらけで不安も大きくなります。
結婚は多くのメリットがあるから前向きに考えよう
結婚は、人生における重要な選択のひとつです。
このコラムで結婚のメリットをそれぞれ紹介しましたが、ライフスタイルや価値観によって、該当するかどうかは異なります。
結婚を考えるとマイナスな面が浮かんでくるならば、このコラムを参考にして結婚のメリットについて考え直してみましょう。
ここまでの内容を参考に、自分にとっての結婚のメリットとデメリットを熟考し、最適な選択をしてください。